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2012年12月03日

トラックをつくる その4

車輌メーカーと架装メーカーの検討書を待っている間に、
窯を作っていただく山宮さんと
窯の内・外装の金属部を製作していただく鷺谷さんの
スケジュールの都合を合わせて、先日、東京へ。


打ち合わせ日の前日が定休日ということもあり、
一足先に前入り。


腹が減っては(作)戦はできぬ。と言うことで
中目黒SAVOY(現・聖林館)でお世話になった有さんと、
前回、訪れた時はヴァカンスで休業していたお店「MESCITA」へ。


トラックをつくる その4


麻布十番のSAVOYで焼いてた頃によく鈴木さんは来てくれてて
ライオン顔になった今でも気づいてくれた。


トラックをつくる その4


熱のある料理人のお皿は旨いす。


そのあとは、先輩がた行きつけの黒崎のおばちゃんのお店に場を移し
久々仲村と飲んでるからとさらに東京時代にお世話になったモデル先輩方が来てくれた。
久しぶりの再会に嬉しかったし、お酒もうまかった。


そして翌日、今回メインの打ち合わせのため鷺谷さんと合流し
日本橋にある山宮かまど工業所へ。

近くのファミレスにでも行きましょうということで
山宮さんと鷺谷さんの初顔合わせ。



トラックをつくる その4


トラックをつくる その4


まずは、今回の窯のためにいろいろと山宮さんが用意してくれた書類や
初の試みである築炉方法の説明を聞きながら、打ち合わせが始まる。


トラックをつくる その4



トラックをつくる その4



より安定した窯の運転をするために排気ファンの取り付けをしながらも
電気トラブルや故障時にも備え、基本的にはファンに頼らない
自然排気できるつくりにしよう、とか。


その為には室内の吸気と排気のプラスとマイナスの
バランスを取れるように何をすべきか、とか。

焚口のすぐ上に熱をためるポケットをつくることで排煙がスムーズになる、だとか。

欲をいえば、排気の内側がスパイラルにきられてると、より良いのに、だとか。

営業時だけでなく、走行時の逆流を防ぐ弁をつけるべき、だとか。
それをどこに、どうつけるべきか、とか。

焚口のフタと火消し壷は固定できるように、とか。

より窯周りの断熱材のスペースをとるために
外径は変えず路床面を5センチ狭めよう、とか。

路床面のピッツァを焼く部分と薪をくべる部分の耐用性を考え、
使用する床の素材と強度を左右変えましょう、だとか。


意見や質問、アイデアを出しながら、この辺までは理解しながら
話は進んでいくが、


築窯の振動対策として、緩衝材の取り方、素材を変え
材料同士でかみあうよう、一つ一つの材料を
設置密度を高めるために切り出したり、
強度を増すためにある部分はアールの形状にするために
型おこしからするなど、材料準備の段階から
非常に手間のかかる施工になる。


そして、その施工法、断熱材の量や据付を守るためには
窯を支える内部の鉄鋼部の形状や寸法、場所によっては鉄板の厚みを変え、
さらに一部傾斜をつけるために工夫された角度だとか、
これまで長年の施工で培ってきた山宮さんのノウハウを少しづつ、
鷺谷さんの理解度を確認するように、しながら、山宮さんが教えてくれる。


まずは外装のフォルムの前にベースであるこの部分を理解、
しっかり作らなければいけないのだ。
そして、ここがわからなければ関連する外装も何もつくれないのだ。


仲村さんだからとおっしゃっていたけど、今回のプロジェクトでなければ
まず教えていただけなかっただろう。


この短時間、一発目ではモノづくりしてる人でもやっとなのに、
僕は半分わかったような気がしたり、おぼろげにイメージしたりと、
すべてをすぐさま3次元でイメージで捉えることができず
ところどころ曖昧なまま、話についていくのもやっとこさ。


そして、今度は頭のなかを整理しながら
鷺谷さん自ら内部鉄鋼造作部分の図を書き始める。

この辺でやっと一杯目のコーヒーを入れる。多分2~3時間経過したころ。


トラックをつくる その4



トラックをつくる その4


ここはこうだから、ここがああで、そしたらここがこうなって…
みたいな感じで鷺谷さんがやってると、
山宮さんがここがこうだから、こうなる。
さっき言ってたのもそれで、さらにこことこうなるようになってて…、とか。


その時、横にいた僕の理解度はこんな感じ。
基本、撮影係です。笑


この作業をくりかえし、鷺谷さんのなかでイメージが図が
できていく。



トラックをつくる その4

ある程度、山宮さんが沖縄に施工でいらっしゃるまでに
こちら側で準備する寸法、構造がみえてきたので
まだ、煙突の形状や選択などは残したままだけど
今日でやるべきところまでは見えたので第一回東京打ち合わせは終了。

気づけば14時スタートから20時までのぶっ通し6時間!!
収穫ありで、かなりの前進。


一度、フォルムについてはフラットに戻して内部の鉄鋼部を
図面化したあとに再度考えたほうが良いですね、と鷺谷さんとお互いに確認。


一軒くらいは行けますね、と
これまた東京では外せないお店にお誘いする。



トラックをつくる その4

大好きな中目黒のバル・エンリケへ。
可愛がってもらってる星野シェフと右腕は同郷の友達、一也。
この縁もストーリーあるしなあ。


トラックをつくる その4


〆にバスク地方のあさりごはん。
ここに来て、食べない日はない。
鷺谷さんも出てくる皿に終始「美味しい」を連発。


トラックをつくる その4

トラックをつくる その4


エンリケに掛かっていたスペインのアンティークの気球の絵。
奇しくも、フォルムを見直しましょうと話したあとのお料理屋さんで見るとは。
やはり、このラインで行け!ということか。


翌日は、お師匠のお店「聖林館」へご挨拶とこの企画のご報告に。


トラックをつくる その4


このプロジェクトを喜んでくれたようで嬉しい。
そして、柿沼さんも新たな動きがある様子。
また規模がデカイ。

やはり柿沼さんにはピッツァ以上に、こういう生き方を通しての
チャレンジや表現を教えてもらった気がする。


トラックをつくる その4

プレゼントも頂く。もらってばかりの関係性です。
いつか恩返ししないとなあ。



最終日は流れで、佐藤さんのオススメのお料理やさん「ロス・バルバドス」


トラックをつくる その4


アフリカのグリルチキン、フフ(タロ芋)添え。
個性的で世界観のあるお店。



打ち合わせ以外に、勉強と称しての食い倒れの日々。
まさに「百聞は一食に如かず」
舌の経験や感度をもっと鍛えないとな~

いいお店、いい仕事、カッコイイ人たちをみてるとやはり刺激。
厳しさや逆も然り。

やはりもっと、美しいものや、人や、事や、
美味しいものだとかを取り入れて感動して、
自分を高めていきたいなぁと改めて実感。


翌日、早めに着いた帰りの空港にて、後ろから声がかかり振り返ると
偶然にもずっとバカールでお世話になってるお客さま。


俺も時間余してるから、上の鮨屋で一杯やろうとお誘い頂いた。


トラックをつくる その4


遠慮せずにたくさん頂いた。笑
普段お店ではゆっくり話せないぶん、話もお鮨も美味しい時間でした。


そして、帰った翌日に車輌メーカーから前回の打ち合わせから
検討をかけていた架装では難アリとの電話があり、
昨日はその打ち合わせ。


そろそろ具体的になってくるので、今回からはチカラと鷺谷さんも同行。


検討していた冷蔵車での架装では、モデルイメージの写真のような
片側ガラスだったりをするには、あまりにも強度がないためできないと。


そこで、これならできるだろうと、次の案としてウイング車を提案してくれた。

トラックをつくる その4


ウイング内にもう一つの仕切りとして、ガラスかもしくは樹脂系の素材で
やったらいいんじゃないか、と。

これはいいアイデア、ウイングの可動の軸位置も変えられることで
排気も真上に出せる。

メリットとしては、2重の扉にすることによって防犯にもなる。
これは大きい。

車輌本体の重量も冷蔵車5,1トンと比べ4,1トンへと減トン。

デメリットとしては、箱の断熱材を取れない、
エアコンがないため庫内の温度をどうするか。

発電機を収める位置や方法をどうするか。

あれを取れば、これができず。
これを取れば、あれができず。ってな感じですが、
優先順位を決めながらの取捨選択。


やりがいと楽しさと難しさが同居してますが、
新しいことばかりで全てがお勉強。


方向性としてはほぼこの架装に決まりそうなので、
来週の検討書までに、前述のデメリットをどうカバーするか考えなきゃ。

車上でのオペレーションの都合上、
窯を前後どちらかなるべく端にもっていきたいので、
次回はオフセットの重心からどれだけ端に寄せていけるかも
車輌全体の重量バランスと転倒角度も検討して頂いてるので

自分たちの有効スペースも見えてくるだろう。
次は車輌に関しても、一歩前進したいところ。


トラックをつくる その4

カンミーノ「歩み、道のり」




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