移動式窯をつくる その8 PASSIONE MORBIDA

daisuke.

2011年10月13日 15:02

そして、翌日。
アーティスト楽屋側は丘の上。







何とも誇らしげに窯が鎮座している。



前日の、ほぼ無風に対して、
今度は海風が強い。

背面の排気口を開けると、燃えつきはいいが、
なかなかレンガに蓄熱しない、
それを閉じて、焚き口ひとつにすると
海風の吸気におされて、排気しない。
給排気のバランスが狂う。

で、いままでのピッツァを焼いてきたセオリーを捨てる。
極力、背面の排気を絞りながら風を吹き抜けさせ、
窯奥で薪を左右から焚く、そしてピッツァを中央で焼く。

ピッツァを中央で焼くのは、前日のヒントもあったけど、
両側から焚くことによって、炉床面の温度も上がってきた。

最後の20枚あたりは、みんなも「美味しそう」を連発。
かなり、店でのクオリティに近づいたのでは。

この窯でピッツァを焼くには、この窯の、
屋外での条件下でのプロにならなければならない。








朝露で湿った薪も窯横で乾かしながら





陽も暮れていき、



15時の焼き始めから、
丁寧に焼きたかったので、一枚一枚焼き上げ
代わる代わる、横で皆のサポートももらいながら
20時の最後の一枚まで、ほぼ、ぶっ通しの5時間72枚、
この2週間を噛みしめるようにひとりで焼いた。




終わった瞬間、みんなと抱き合い
芝生にぶっ倒れた。
ホントーに、燃え尽きた!!!



そして、みんなも!!!


慣れないフェスでの疲労感は何ともいえないが、
疲れがとれた今頃、少しづついい経験として
みんなの中に何かが残ってれば素晴らしい財産だと思う。


そして、何よりも今回は2週間で窯をつくるという
無謀なプロジェクトに
挑戦ができたこと、その機会、スタッフの力、
サポートくれた方々の力、全てに感謝。

久々に追い詰められたし、
それによって、いろんな感覚を取り戻したし、
なによりも、誇りと自信をもつことができた。
そして、楽しいということは、楽ということではない。


魂を擦り減らして、返ってきた実経験を肉とする。
これからも、そうありたいと思う。


PASSIONE MORBIDA"DUE SETTIMANE"
「軽やかな、柔らかな情熱」



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